本人確認書類の種類及びそのご対応について

司法書士が土地、建物の売買による決済に立ち会わせていただく中で、売主様が登記申請に必要な権利証(登記済証、登記識別情報)を紛失されているというケースがございます。その場合、司法書士が売主様にご面談の上、権利証に代わる「本人確認情報」という書類を作成するのですが、その際、売主様には本人確認書類をご提示いただく必要がございます。この本人確認書類ですが、いくつかの種類及び注意点があるため、今回は、その点についてご説明したいと思います。

まず本人確認書類には氏名、住所、生年月日3点の記載が必要となります。

そして、その種類は1号~3号までがあり、1号書類としまして、運転免許証、マイナンバーカード、在留カード、運転経歴証明書、パスポートなど「顔写真付きの公的機関が発行した書類」があげられます。

こちらはどれか1点以上をご提示いただくことで足りる書類となりますが、令和2年2月4日以降に発行されたパスポートは住所記載欄(所持人記入欄)が削除され、本人確認書類の適格性を欠くことになるため注意が必要です。

次に2号書類としまして健康保険証、介護保険証、年金手帳など「顔写真のない公的証明書類」がございます。

こちらは、2号書類の中でどれか2点以上のご提示が必要となるのですが、年金手帳については、平成9年1月1日以降に交付された青い表紙のものは住所記載欄がなく適格性を欠くことになるため、こちらも注意が必要です。

最後に3号書類としまして印鑑証明書、住民票、社員証(顔写真付き)、宅地建物取引士証など「官公庁から発行され、又は発給された書類その他これに準ずるもの」がございます。こちらは2号書類1点及び3号書類1点以上のご提示をいただくことになるのですが、法務局で本人確認書類として不十分であると判断される場合もごあり、特に印鑑証明書については登記申請に必要な添付書類であるからという理由で本人確認書類として認められないとの見解が出ています。よって本人確認書類のご提示は原則1号書類にて、どうしても1号書類が見当たらない場合は、2号書類を2点以上ご提示いただくことが基本となってまいります。

ご決済で権利証がない場合、売主様の意思能力の有無は当然のこととして、本人確認書類の有無など、ご注意いただく点が多数ございます。

ご不明な点等がございましたらぜひ、藤間司法書士法人までお気軽にお問合せくださいませ。


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