定款の添付が必要となる登記のまとめ

新緑のまぶしい季節となりました。


さて、5月から6月にかけては3月決算の会社の定時株主総会開催時期となります。

株主総会後には役員変更などの登記申請を行うことになりますので、今回は、登記申請で定款の添付を要する場合について、ご存じの内容も多いかと思いますが、簡単に整理してみます。


まず、定款を添付する登記の種類は多くはありません。

そこで、定款添付が必要な登記で実務で押さえておきたいのは頻度の高い次の2点です。


① 取締役会設置会社が取締役会を書面決議で行った場合

 *登記に関する議案を書面取締役会で決議した時です。(代表取締役選定・支店移転など)

 *定款に会社法第370条の規定があることを法務局が確認するため


② 取締役会非設置会社が代表取締役を互選で選定した場合

 *定款(互選で選定)の規定どおりの方法で選定していることを確認


上記①②を含め定款添付が必要となる主な場合を次に列挙します。


① 取締役会書面決議


② 取締役会非設置会社が互選で代表取締役を選定


③ 役員の任期満了を証する書面(議事録等で任期満了が確認できないときなど)


④ 解散・清算人の登記(清算人会の規定を確認)


⑤ 定款で別段の定めをすることができる場合でその定めを確認するとき

  例 ・取締役会設置会社で代表取締役を株主総会で選任する

    ・株主割当の募集事項を取締役会で決定する

    ・取締役会設置会社で募集株式の総数割当契約を株主総会で承認する


⑥ 株主名簿管理人設置(株主名簿管理人の規定の確認)


◆原本証明した定款とは

会社設立時は公証人の認証を受けたものを原始定款といいますが、

設立後は最新の定款データ(会社保存)が原本となります。

定款に代表取締役が原本証明したものが「原本証明した定款」となります。

設立後は公証人の認証の手続きは不要なので、定款変更決議後は会社保存データを更新して、常に最新のものを備えおくとよいでしょう。


◆定款の原本証明の方法

定款末尾に

   「以上定款に相違ありません。 

         〇〇株式会社

         代表取締役○○  印」 

などと記載します。


原本証明について法務局において印鑑についての審査がなくなりましたので、

これまでのように割印・袋綴じなどを要求されることはありませんので少し楽になりました。


ご参考までに、原始定款は公証役場で20年間 法務局で5年間保管されます。

登記実務のご参考になれば幸いです。

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