商業・法人登記申請における法務局へ提出する添付書面への電子署名について
現在、商業・法人登記申請においては、電子契約サービスを利用した議事録などがオンライン登記申請の添付書面として利用できることとなっています。
上記の法務省ホームページにて商業・法人登記で利用できる電子契約サービス一覧が記載されており、記載の電子契約サービスで議事録など、登記で法務局に提出する添付書面(以下、「添付書面」という。)に電子署名をすることで、そのデータを添付書面として利用することができ、非対面業務の推進、書面・押印制度の見直しにつながるものと思われます。
しかし、すべての添付書面に上記の電子契約サービスを利用できるかというとそうではありません。
ざっくり申し上げますと添付書面を紙で提出する際、商業登記規則で会社実印や個人実印の捺印が義務付けられている書面については、電子署名をする添付書面にも商業登記電子証明書や公的個人認証電子証明書などの電子署名が必要となり、電子契約サービスの電子署名では添付書面として認められないこととなります。
例といたしまして、委任状、代表取締役選定の取締役会議事録、取締役会設置会社の新任代表取締役の就任承諾書などがあげられます。
逆に商業登記規則で会社実印や個人実印の捺印が義務付けられていない書面については、電子契約サービスの電子署名で添付書面として認められることとなり、商業登記電子証明書や公的個人認証電子証明書などの電子署名は必要ありません。例といたしまして、就任承諾書、辞任届、(就任承諾書、辞任届につきましては、個人実印、会社実印の捺印が必要となる例外がございます。)株主リスト、定款などがあげられます。
なお、公的個人認証電子証明書での電子署名の場合、マイナンバーカードを用いての電子署名となるため、添付書面への電子署名が一般化するには、まだハードルが高く、もう少し時間を要するのではないかと考えます。
添付書面への電子署名についての概要は上記となりますが、法務局で認められている電子契約サービスの種類やどの添付書面に電子契約サービスを利用できるかという部分は多岐に渡り、この中では説明しきれない部分が多数ございます。
また上記で述べた例についても、ケースによって例外があり、結論が異なる場合がございますので、ご不明な点等がございましたらお気軽に藤間司法書士法人までご連絡ください。