外為法の報告制度
いつもお世話になっております。
藤間司法書士法人でございます。
今回は、「外為法の報告制度」についてお話します。
外為法とは、その正式名称を「外国為替及び外国貿易法」といい、その名の通り、日本と外国との間における資金の移動や物、サービスの移動等の対外取引に適用される法律のことです。
司法書士の登記実務である会社・法人登記業務との関連でいうと、外国投資家による株式の引受け、外国人が発起人となる会社設立等が、この外為法の報告制度に密接に関わってきます。その外為法の報告制度の一つである、「対内直接投資に関する報告」についてご紹介しましょう。
対内直接投資とは、外国投資家の行う、国内上場会社の株式の取得(出資比率が10%以上となるもの)、国内非上場会社の株式・持分の取得、事業目的の実質的変更への同意等々のことを言います
ここでいう外国投資家とは、非居住者である個人、外国法令に基づいて設立された法人等、非居住者である個人又は外国法令に基づいて設立された法人等により直接・間接に保有される議決権の合計が50%以上を占める会社、非居住者である個人が役員の過半数を占める法人等のことを言います。
典型的には、外国在住外国人の方が日本で会社を設立したり、外国企業が日本の会社に出資をして株式を引き受ける場合等が対内直接投資に当たります。そして、この対内直接投資をした場合、その取引等を行った日から45日以内に、日本銀行を経由して財務大臣及び事業所管大臣あてに事後報告をする必要があります。
なお、対内直接投資に当たる場合であっても、株式・持分を相続又は遺贈により取得した場合、非上場会社の株式・持分の取得で、出資比率が10%未満の場合、事業目的の変更であっても一部削除の場合、株式無償割当による株式取得の場合等々には、報告は不要となります。
なお、上記でいう出資比率に関しては、株式等取得者と特別の関係にある外国投資家の所有株式等を含んだ比率となりますので、報告の要否を検討する際は注意が必要です。
以上、外為法の報告制度(対内直接投資に関する報告)の概略についてご説明いたしましたが、当事務所では、このような国際的取引に伴って必要となる登記以外の手続きについてもご相談を承っておりますので、お困りごとございましたら、当事務所までお気軽にお問い合わせください。