「師走」 「師走の候」
12月に入り、今年も残りわずかとなりました。
12月になると何気なく使っている「師走」や「師走の候」ですが、ふと、どんな意味か疑問に感じることありませんか。
12月になると、あちらこちらで師走という言葉が使われます。
忙しさの一因となる、残っている師走の行事もあります。
12月と言えば、クリスマスや忘年会、年末の業務処理と、なにかと行事が多く忙しいと感じていると思います。
年末感を一気に感じるようになる12月。クリスマスや大晦日など月末に大きなイベントがある12月は、1年のうちでもワクワク感が高まる月のように思えます。
12月にするべき行事の1つが大掃除になります。
後回しにしがちな大掃除ですが、大掃除は新年に神様をお迎えするための厄落としという意味があります。
日ごろきちんとお掃除をしていても、12月にもう一度しっかりきれいにする、特別な理由があったのです。
冬至もまたその一つです。
冬至は、一年で一番夜が長い日ですが、かぼちゃを食べたり、ゆず湯に入る習慣が残っている家庭もまだあるかと思います。
また、年末はなにかと今年のお礼を伝えたり、連絡を取るタイミングが多くなるものです。
手紙や挨拶状などで、12月に使える時候の挨拶に「師走の候(しわすのこう)」という言葉があります。
こちらは12月の初めから、主に12月中旬頃までが適していると言われています。
時候の挨拶は使える時期が決まっているので、しっかり把握しておきたいところです。
ちなみに12月上旬には「初冬の候(しょとうのこう)」や「初雪の候(はつゆきのこう)」も使われ、12月下旬には「歳末の候」や「歳晩の候」(さいばんのこう)が使われます。
少しづつ、年の瀬へ向かって雰囲気が変わっていくのが伝わります。一言、時候の挨拶が入ると、メッセージがぐっとあらたまった大人びたものに変わります。
「師走の候」の言葉を知っていても本来の意味を知らない人も多いようです。
師走の候は、「今年も1年の最後の月になりました。」や、「いよいよ年末の忙しい季節の到来です。」というような意味になります。
「拝啓 師走の候 貴社におかれましてはますますご清祥のことと存じます。」のように使います。かなり品のあるメッセージになります。
目上の方や、仕事のお取引のある方に、年末のご挨拶やお歳暮をお送りした際に一言添える手紙に適しています。
一年が終わって、新しい年を迎える。師走からお正月は、一年の中でも一番大きなイベントと言えると思います。
何気なくやっていた行事の意味を理解して、忙しくてちょっと疲れてしまう師走の時期を、楽しくすがすがしく乗り切って、すてきな新年を迎えたいものです。