定款認証を巡る変化について(ウェブ会議の原則化を契機として)
2024年3月から、公証人による定款認証の面前審査は、対面の希望が無い限り、原則としてウェブ会議により行うことになりました。
そこで今回は、定款認証を巡る変化について見ていきたいと思います。
株式会社等を設立する際は、公証人による定款認証を受けることが必要です。司法書士も代理して手続きを行うことができます。
定款認証は、書面による定款を提出して認証を受ける方法がありますが、弊社においては、原則として電子定款・電子認証を採用しております。
電子定款は、PDF形式で作成して、電子署名を付与した定款です。書面による定款の場合に必要な印紙税4万円が不要であるため、経済的にもメリットがあります。
電子認証は、オンラインで申請された電子定款について公証人が認証する手続きです。
但し、以前は電子定款をオンラインで申請したとしても、定款認証日には発起人又はその代理人が公証役場に書類を持参して、公証人による面前審査を受ける必要がありました。
公証人は誰でも良いというわけではなく、例えば東京都を本店所在地とする定款認証は、東京都内の公証役場に所属する公証人しか行うことができません。
そのため、物理的に遠い本店所在地における設立登記のご依頼については、公証役場を訪問する者や費用面の調整が必要でした。
そのような状況であったところ、2019年3月、ウェブ会議を利用して行う面前審査の手続きが開始されました。
これにより、定款認証日に公証役場を訪問しなくても面前審査が可能となり、本店所在地にかかわらず設立登記のご依頼をお受けしやすくなりました。
そして冒頭の通り、2024年3月から、定款認証の面前審査はウェブ会議の利用が原則となり、非対面化が進んでいます。対面での面前審査を希望する場合、その旨の申告書を公証役場に提出することで対応は可能です。
なお、ウェブ会議を利用する場合、事前に公証役場に書類を郵送するため、対面での面前審査の場合に比べると、お客様には早めに定款認証に係る書類をご用意いただく必要がございます。
このように、定款認証の手続きも、年月とともに変化しております。
藤間司法書士法人では、適宜、変化に対応するように努めておりますので、どうぞご安心してご依頼ください。