事業性融資の推進等に関する法律とは
先日、東京司法書士会開催の事業性融資の推進等に関する法律についての会員研修を受講いたしましたので、その概要をご案内いたします。
この法律は、令和6年6月7日に成立し、施行日を公布の日(令和6年6月14日公布)から2年6か月を超えない範囲内で定める日としております。従って令和8年12月14日までには施行されることになります。
■法案提出の理由
この法律が提出された理由は、不動産担保権又は個人を保証人とする保証契約等に依存した融資慣行の是正及び会社の事業に必要な資金の調達等の円滑化を図るため、事業性融資の推進等に関し、その基本理念、国の責務、基本方針の策定、企業価値担保権の設定、事業性融資推進支援業務を行う者の認定、事業性融資推進本部の設置等について定める必要性があることとされております。
■企業価値担保権の登記について
・登記が効力要件
企業価値担保権の得喪及び変更は、債務者が本店の所在地において、商業登記簿にその登記をしなければ効力を生じません。但し、一般承継、混同又は特定被担保権の消滅による得喪及び変更については、この限りではありません。
・登記の種類
企業価値担保権の登記は、企業価値担保権の「設定」、「移転」、「変更」、「処分の制限」又は「消滅」についてなされます。
・抵当権と企業価値担保権が競合した場合
債務者の財産の上に存する抵当権と企業価値担保権とが競合する場合には、それらの優先順位は、抵当権の登記の具備と企業価値担保権に係る登記の前後によるとされております。
・管轄
企業価値担保権に関する事務は、企業価値担保権を設定する債務者の登記の事務をその本店所在地において司る登記所が管轄登記所とされています。
・登記の事務
企業価値担保権に関する登記の事務は、商業登記の事務を取扱う者が取扱うこととされております。
新しい制度のため、詳細については今後の動向を注視していくとになるかと思いますが、今回は大まかな概要についてご案内させていただきました。
ご不明な点は、どうぞ藤間司法書士法人にご相談ください。