官報電子化について
官報は、明治16年の創刊以来、法律の公布、国の公示事項等を掲載する国の公報として発行されています。
しかし、2025年2月現在、官報の発行に関する法律の定めはなく、慣行として、紙の印刷物として発行されています。
2025年4月1日、官報の発行に関する法律が、初めて施行されます。
そして、紙の印刷物として発行されてきた官報は電子化され、官報発行サイトに掲載される電子データによる官報が、官報の正本となります。
電子データによる官報は、官報発行サイトから、誰でも無料で閲覧及びダウンロードすることができます。
但し、2025年2月現在、全文が公開されている期間は直近90日間ですので、この期間内にデータを閲覧したり、ダウンロードする必要があります。
なお、電子データによる官報には、政府認証基盤(GPKI)による電子署名が付与されており、改変防止策が講じられています。
インターネットを利用できない方のための措置としては、官報サービスセンター(旧官報販売所)を通じて、「官報掲載事項記載書面(官報に掲載された情報を記載した書面)」の交付を受ける方法があります。
但し、電子データによる官報と異なり手数料がかかります。
会社(持分会社を含む。)にとって、官報は、公告方法の選択肢の一つです。
会社は公告方法として、「官報」「時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙」「電子公告」のいずれかを定款で定めることができます。
定款の定めがない場合は、公告方法は官報と定められています。
公告方法は登記事項ですので、会社の登記事項証明書には、上記の3つの方法のいずれかが登記されています。
また、会社の登記手続きにおいて、法務局に官報を提出する場合があります。
例えば、吸収合併、新設合併、吸収分割、新設分割、資本金の額の減少等の登記です。
電子データによる官報を登記手続きに使用する際は、電子署名が付与された電子データを、法務局に送信する方法により行います。
電子データを一旦プリントアウトしたものは、登記手続きには使用できませんので、ご注意ください。
今後、登記手続きにおける官報は、電子データが主流になると予想されます。
官報電子化についてご不明な点がある場合、どうぞ藤間司法書士法人にご相談ください。