企業価値担保権について(その1)
令和6年6月に成立した「事業性融資の推進等に関する法律」が令和8年5月25日に施行され、「企業価値担保権」という新しい制度が創設されました。企業価値担保権について、Q&A方式で解説していきます。
Q1 企業価値担保権とはどのような制度ですか。
A1 企業価値担保権とは、会社が持つ事業全体の価値を担保にして融資を受けられる新しい制度です。土地や建物などの有形資産だけでなく、技術力・顧客基盤・ノウハウ・将来のキャッシュフローといった無形の強みも含めて評価されます。従来の融資は不動産担保や経営者保証に依存しがちで、資産の少ない企業やスタートアップ企業は資金調達が困難になるという状況が生じていました。企業価値担保権は、こうした企業でも事業の将来性が認められれば資金調達しやすくなる点が特徴です。
Q2 企業価値担保権の目的となる財産は何ですか。
A2 債務者である会社の総財産(将来において会社の財産に属するものを含む)が担保の対象となります。会社の総財産には、企業価値担保権の設定から実行終了までの間に、会社による事業活動によって得られた会社の総財産のほか、ノウハウ、顧客基盤、のれん等の無形資産も含まれます。
Q3 企業価値担保権にはどのような法的性質がありますか。
A3 企業価値担保権は物権です。そのため、物権の性質である絶対性(誰に対しても物権の効力を主張できること)や排他性(同一の物の上に、それと両立しない同一内容の物権が二つ以上同時に成立しないこと)のほか、担保権の付従性(主たる債権が存在しなければ担保権も成立せず、被担保債権が消滅すれば担保権も消滅すること)や随伴性(被担保債権が第三者に譲渡等で移転した際、その債権を担保していた権利も一緒に移転すること)なども有しています。
Q4 企業価値担保権の設定者にはどのような会社がなることができますか。
A4 企業価値担保権を設定できる会社は、会社法上の「会社」つまり
①株式会社
②合名会社
③合資会社
④合同会社
に限定されています。また、いわゆる特例有限会社も会社法上の「会社」とみなされるため、企業価値担保権の設定者となることができます。
今後も企業価値担保権についての解説を続けていく予定です。
ご不明な点等がございましたらお気軽に藤間司法書士法人までご連絡ください。






















![TOMAコンサルタンツグループ株式会社(東京/シンガポール[アジア統括]/ ロサンゼルス[アメリカ統括])](../common/images/f_text_09-2.png)